男性特有の悩みや女性特有の悩みに関してはなかなか医療者に言えず(医療者もあまり真剣に聞かない)、友人達にも言えず、怪しげなサイトの情報を鵜呑みにして被害に会われている方を時折見かけます。私もそういった悩みに対して経験が豊富な訳ではありませんが、せめて学会のガイドラインなど科学的なアプローチをもとにアドバイスしたいと思います。

若い(20代〜40代)女性のむくみ
かなり気にされている方が多い印象です。若い女性が一般外来に「体が震えるんです」と来たことがあります。良く聞いてみるとインターネットで(真偽がかなり疑わしいが)モデルが飲んでると喧伝されている「ラシックス40mg」を輸入業者から買って飲んでいました。かなりひどい低K血症になっていました。結構人数がいるようですがやめて下さい。脱水になってもおかしくありません。オススメは五苓散です。また薬を使わなくても塩分制限、糖質制限して下肢挙上orストッキングで大体良くなります。

また50代女性が若くないと言う訳ではありませんが…閉経をしているかどうかを気にしています。若い人で月経前に訪れるむくみ(月経後に解消するむくみ)には当帰芍薬散(冷えもある人向き)、加味逍遙散(更年期のような症状がある人向き)が効きます。

また(むくみ➕動悸・胸痛)や(むくみ➕怠さ)や(むくみ➕発赤・熱感)などむくみ以外の症状がある人は心臓や甲状腺、皮膚が悪かったりするので一般内科で一度見てもらいましょう。

冷え性
物理的に冷やさないことが大事だと思いますが、最初に試して見ても良いのが当帰芍薬散。それが無効の場合は少し強めの麻黄附子細辛湯を試して見ましょう。またクーラーのせいで朝起きた時の頭痛・腰痛がある場合などはクーラーをとめましょう。とめられない環境などであれば五積散を試してみるのが良さそうです。時々見かけますが、甲状腺の異常や貧血が隠れていることがあります。疑わしい場合は内分泌科や一般内科に行きましょう。特に貧血は女性にありふれた疾患でありながら見過ごしていることが多いので後述します。

貧血
貧血は若い女性や成長期の男女に多くいますが、結構見逃されています。女性は生理の度に出血しますし、成長期は新しい体を作るぶんだけ必要な栄養を補わなければなりません。またよくマラソンなどの運動する人は足の衝撃で赤血球を破壊するスポーツ貧血になっていることがあります。鉄剤を飲むだけで、生活の質が改善したり、タイムが伸びたりするのに勿体無い状態の人が多いです。ちなみに治療には鉄剤を飲み始めて1ヶ月はかかるので、採血で定期的にチェックしながらがお勧めではありますが、なかなか忙しい世代でもありますので、若い女性、特に妊活中の女性や部活動生は経口鉄剤を予防も兼ねて年に2ヶ月くらい飲むのが良いでしょう。
鉄剤はサプリメントも多く出されていますが、本当に効能があるかはわかりませんので、ここでは医薬品をお勧めします。

更年期障害
産婦人科でのホルモン補充療法に勝るものはないですが、そこまでしたくないと言う人は女性3大漢方薬があります。以下を目安に使って見て下さい。
当帰芍薬散:比較的体力の低下した人(冷え性・貧血傾向・浮腫などがある人)
加味逍遙散:比較的虚弱な人(疲労しやすく、不眠、イライラなど精神症状がある人)
桂枝茯苓丸:体力が中等度以上の人(のぼせて赤ら顔、下腹部の抵抗や圧痛がある人)

尿漏れ・残尿感
男女とも年齢を重ねると問題になるのがシモの問題。癌などの病気が隠れている可能性もあるためまずは泌尿器科に相談しましょう。年齢のせいで緩くなっているだけだと言われたら以下の漢方薬を試す価値はありいます。牛車腎気丸は手足の痺れにも有効です。八味地黄丸は性的な強さを取り戻すこともあるらしいので興味がある方は使ってみると良いと思います。

性病
別ページでも解説しています。女性の腹痛は妊娠同様に性感染症も考慮しています。特に女性の場合は腹痛が起きている時にはすでに酷い状態になっている可能性があり、不妊の原因にもなりかねないことがあります。輸入通販のジスロマックだけではクラミジアは防げても淋菌や梅毒などは防げませんので思い当たる節があればやはり婦人科などでちゃんと抗菌薬を点滴・処方してもらってください。またこのようなことを防ぐにはコンドームが一番です。ピル飲んでてもダメなのでちゃんとつけましょう。この時代はめっちゃ薄くなっているんだから。