大人のワクチン


2020年7月より東京オリンピックが始まります。

それに伴い政府は訪日外国人数の目標値を4000万人と設定し海外から多くの外国人が訪れます。

人が集まる場所には菌やウイルスが集まりますので東京にお住まいの方は特に感染症に気をつけてください。感染症では菌やウイルスと接触しない、接触しても繁殖させないうちに洗い流すことが大事になります。ただ最も簡便な方法が免疫を獲得してしまうことです。

ワクチンは特定の感染症を起こす病原菌・ウイルスに対して免疫をもたらしてくれます。ワクチンといえば子供の頃に学校で色々と打った記憶をお持ちの方が大勢と思いますが、ワクチンによっては効果が年齢と共に減弱していくものがありますので大人になってからはご自身で管理していく必要があります。特に日本のワクチン行政は年代によって変更されていますのでかなりわかりづらい状況になっています。今回一緒に整理して行きましょう。

まず日本の成人に必要なワクチンは以下の12種類になります。
肺炎球菌、B型肝炎、A型肝炎、破傷風トキソイド、三種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳)、MR(風疹・麻疹混合)、水痘、おたふくかぜ、日本脳炎、インフルエンザ、HPV(ヒトパピローマウイルス)、髄膜炎菌(4価)

特に

肺炎球菌、MR(風疹・麻疹混合)、水痘・帯状疱疹、インフルエンザ、HPV(ヒトパピローマウイルス)

の5つは(再)獲得を目指すのが良いでしょう。それぞれ見ていきます。

①肺炎球菌
5才未満と65才以上の方が対象となるワクチンです。肺炎球菌は5才未満の児には髄膜炎を起こして重篤な病状を示し、65才以上の方は致死的な肺炎を起こします(高齢者の死亡原因の第3位は肺炎です)このワクチンは肺炎の第一位原因菌である肺炎球菌への免疫をつけてくれます。(PPSV23という肺炎球菌ワクチンは)1回で5年程度の効果が見込まれるので5年に1度の接種を行います。肺炎球菌ワクチンによる医療費抑制効果は5000億円以上とも言われます。(肺炎球菌ワクチンはPCV13とPPSV23がありますがそれぞれの比較についてはここでは割愛します。)

②MR(measles:麻疹、rubella:風疹)混合ワクチン
麻疹ワクチンと風疹ワクチンが一緒になったワクチンです。

まず麻疹について

感染すると発熱とカタル症状(風邪のような粘膜炎、咽頭炎)があり有名な発疹を起こし、時に肺炎や脳炎を合併して死亡する原因にもなります。数年毎に日本では大規模な全国流行があったが、2006年からMRワクチンの2回接種が徹底されて2015年に日本は麻疹排除国としてWHOより認定されたが、周辺地域は麻疹が流行しているので外国人によってもたらされる可能性が高い。定期接種回数が年代によって2回接種していない年代があるので以下を参照。

1972年9月30日以前(46才以上)…一度も接種していない可能性が高い。計2回接種を推奨(ただし自然感染など抗体を保有している場合を除く)
1972年10月1日-1990年4月1日(46才−28才)…1度しか接種していない年代。不足回数分(おおよそ1回)の接種を推奨
1990年4月2日-2000年4月1日(28才-18才)…2007年の流行を受けて5年間の特例措置として2回目の接種を受けた世代。もし2回目の接種を受けてなければ追加接種を推奨
2000年4月2日以降- (18才以下)…定期接種として2回受けているため、基本的に不要

風疹

感染すると発熱・発疹・リンパ節主張があり麻疹と似ているが一般的には予後良好な疾患。ただし妊婦に感染すると胎児に重度の障害を起こすので妊婦周りは予防するのが必要です。特に2018年は風疹の流行があり米疾病対策センターでは妊婦の日本への渡航を自粛するよう勧告しました。こちらも2回接種を必要としますが以前は女性にしか接種されていない時期もあり39才-56才の2割は抗体陰性となっているため来年度から原則無料となっています。39才-59才の男性、妊娠前の女性は風疹ワクチンを2回接種済みになっていることが望ましい(特に28才以上の女性は1度しか接種していない)。風疹の場合(おそらく自然暴露による抗体保有)があるため高齢者はむしろ高い抗体保有率(ほぼ100%)となっている

水痘・帯状疱疹ワクチン

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV:varicella zoster virus)に初感染すると、水疱瘡を起こし治癒してもウイルスが後根神経節に潜伏し免疫が弱まった時に知覚神経を伝って表皮に到達し激痛を伴う帯状疱疹を起こします。そのため帯状疱疹が治癒した後も帯状疱疹後神経痛を起こしQOLを低下させます。
水痘帯状疱疹ワクチンは任意接種だったが、2014年10月からは1-2才児を対象に2回接種をされるようになった。それに伴い水痘患者が減少しているがウイルスに晒されて免疫を強化するブースト効果が得られなくなるため今後は帯状疱疹発症が増加することが考えられる。2016年からは帯状疱疹予防のために50才以上に使用することを認められるようになった。帯状疱疹は80才以上で1/3が85才以上で1/2が発症するとされ予防効能が高い。生ワクチンは1回ですが、最近は高齢者にも安全な不活化ワクチンも認可されこちらは2回の接種になります。どちらも50才以上に適応されます。

インフルエンザ

インフルエンザはおなじみですが時に重症となるため全年齢世代に推奨されます。特に高齢者は重症化しやすいため定期接種の対象です。ちなみに65才以上のインフルエンザ発症阻止効果は34-55%、死亡阻止効果は82%となります。よくある勘違いが製造過程で鶏卵を用いることから卵アレルギーの人には接種禁忌のように扱われることがあるが、実際に製品に残存する量はほぼゼロで卵アレルギーの有無とは関係しないと言われている。

HPV(ヒトパピローマウイルス)

女性特有の癌の中では乳がんに次ぐ罹患率の高い悪性腫瘍である子宮頸がんを引き起こすHPV(人パピローマウイルス)への罹患を防ぐことができるワクチン。その予防効果は45%-65%とされ4価ワクチンであるガーダシルでは尖圭コンジローマや肛門癌、外陰部癌、咽頭がんの予防効果もある。他のワクチンとは違い、いわゆる「性病」を防ぐワクチンであるため性交渉を始める前の接種が望ましく、それがちょうど思春期の女児への接種になっているため迷走神経反射などの副反応を大げさにマスコミで取り上げられ、接種勧奨の中止となり接種率は70%から0.6%とガタ落ちしてしまった。実際は副作用が怒る可能性は0.00001%程度であり、その副作用もワクチン内容とは関係ない結果とされているが、衝撃的な映像のために未だなお抵抗感が強く接種率は向上していない。定期接種対象者は小学校6年生から高校1年生の間の女子で無料で接種可能だが10才以上で性交渉をする可能性があるものなら男女問わず接種が望まれる。

大人用のワクチン12種類のうちの特に大事な5種類の紹介でした。

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