花粉症の治療法

花粉症の時期になりました。

一般内科のクリニックを手伝ったりすると2月くらいから花粉症の患者さんがやってきます。
恥ずかしながら、花粉症の専門家ではないので、抗アレルギー薬を処方するというクリニックの方針に従う形で診療を進めていましたが、これをやりつづけると毎年患者さんは辛そうだし、(クリニックは儲かるかもしれませんが)みなさんの税金が上がるだけだろうなということで調べ直すことにしました。

今回参照したのは「2016年版鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-」です。ガイドラインというのは数々の論文をまとめて1つの方針を打ち出してくれているもので非専門家にとってかなり参考になります。

疫学

・アレルギー性鼻炎全体が10年(1998年→2008年)で有病率が29.8%→39.4%と増加している。
・スギ花粉症の有病率も16.2%→26.5%と増加 している。
・通年性アレルギー性鼻炎(ダニなど)も18.7%→23.4%と増加している。
詳しくは以下の検査をしなければならないが、だいたいの原因はスギ・ダニ・ハウスダスト。

検査
・皮膚テスト
メリット:安価(21種類で保険使わないで3360円)、20分で判明
デメリット:検査前1週間は薬なしでアレルギー症状を我慢する必要がある
・採血
メリット:採血するだけ
デメリット:数日かかる、高価(13種類以上で保険使わないで14300円)

治療法
①抗原(花粉やダニの悪さをするもの)を除去
花粉:マスク・メガネ
ダニ:清掃・除湿・防ダニ布団カバー

②薬物療法。内服薬や鼻噴霧薬。

アレグラである程度抑えられます。最初から効果は出ますが2週間連用すると効果が高まります。
これぐらいでは治らない人は鼻スプレー型のステロイド剤も使用。1日〜2日で効果が出ます。

①は基本。ただし症状の軽減が図れるが基本的に自然治癒には至らない(スギ花粉で数%程度治癒)。
②が一般内科レベルで対応していることです。これで十分と思っている方はワンシーズン分ネットで薬を買ってしまえば医療費は安く済みます(セルフメディケーション税制対象です)。時折薬を使って肝機能が悪くなることなどが報告されているので具合がおかしい場合は飲んでいる薬を見せて採血などしてみてもらうと良いでしょう。また1%程度の人に眠気を起こすので運転する人はスプレー型だけの方が良いです。

③アレルゲン免疫療法
永久的に治したいと思えばこれをするしかないですが、3年はかかるので忍耐力を必要とします。また体にアレルギー物質を入れて体を慣らすやり方でいわば「毒をもって毒を制す」やり方ですので、たまに全身がショック状態になったりします。一般内科ではなくアレルギーを専門とするクリニックでする方が安全です。アレルギー性結膜炎や気管支喘息などにも有効です。

・皮下免疫療法(注射)
週に1回皮下注射し、徐々に慣らしながら2週に1回、1ヶ月に1回と間隔を開けていく。治療終了までに3年はかかる。ハウスダスト・ダニ・花粉で8割程度の有効性が認められ、5年経過しても持続性が8割程度ある。

・舌下免疫療法(舌の裏に薬剤を投与)
1日1回舌下に薬を投与し徐々に量を増やしていく。治療期間は2年以上で3〜5年を目安とする。8割程度の患者さんに有効。

④手術
薬剤で治らない患者さん向けに行われるが場合によっては鼻の形や機能が失われたり涙分泌障害などの副作用もある。医師と要相談。レーザー手術などは手軽で安価で行われるようになってきたものの、通年性アレルギー性鼻炎には有効ではあるが、季節性(花粉症)には効果が不十分とされるので結局③を薦められる。

以上ガイドラインに載っている(エビデンスのある)治療法でした。
一番は花粉に暴露されずに花粉症にならないことだと思います。
私は職場にこれを自費で買いました。インフルエンザになったり花粉症になるくらいだったら良い投資になってくれると思います。

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