睡眠薬は3ヶ月で依存する

睡眠薬を飲んでいますか。

日本人成人の20%が慢性的な不眠を抱えていると言われています。

患者さんのお薬手帳を見ると何かの疾患のついでに睡眠薬が処方されているのを目にします。

セルシン、ハルシオン、デパス、マイスリーなどは聞いたこともある人が多いのではないでしょうか。

今まではかなり気軽に処方されてきましたが、睡眠薬の依存や副作用が近年になって注目されるようになり、特に代謝機能が低下した高齢者においては睡眠薬(特にベンゾジアゼピン系薬剤)は中止を検討すべき薬剤だと警告がなされるようになりました。

副作用には認知機能低下のリスク増加(4.8倍)、日中の易疲労感の出現(3.8倍)、また転倒による骨折リスクの増加(1.25倍)、肺炎リスクの増加(1.5倍)と、かなりリスキーな薬剤です。

睡眠薬は睡眠の質を改善してくれますが高齢者においては満足な結果を得られる人は13人中1人程度であり有害事象は6人に1人起きている状況です。

もともと年を取れば取るほど徐波睡眠(ノンレム睡眠・深い睡眠)の割合が減少し、浅いノンレム睡眠が増加します。このため、中途覚醒が多くなり全睡眠時間が短くなります。高齢者があまり眠れないというのは極めて生理的な現象です。もし、日中に眠気などなく寝ている総時間数だけが気になるだけであれば治療の必要もありません。

ただやはり日中に眠くなるのだという方は若い方も含めてまず生活習慣を見直しましょう。というのも最初から睡眠薬に頼ると睡眠薬は依存性を持つものも多く通常の使い方であってもやめるときになると離脱症状が起きてやめられなくなってしまいます。よく用いられるベンゾジアゼピン系薬剤だと開始して3-4ヶ月から依存が形成されていき、8ヶ月で43%の患者さんに離脱症状が認められたと報告されています。薬を使う前に以下を見直しましょう。

・寝酒はNG(寝る前のお酒は睡眠の質が悪くなる)
・寝る前4時間内のカフェインもNG(興奮作用・利尿作用のため)
・寝る前のスマートフォンもNG(ブルーライトがダメと言われますが真偽は不明)
・朝起きたら光を浴びる(体内の概日リズムをつける)
・昼寝は30分以内に(30分以内であれば日中の活動能力が上がります)

これでも治らない場合は一度睡眠を専門とする医師または精神科や心療内科に相談することをお勧めします。もうすでに睡眠薬を常用している方は急にやめると不眠、焦燥、頭痛などの離脱症状が出てくる可能性があるのでやはり医師と相談しながらやめていくと良いでしょう。

またご高齢の方は不眠が認知症の症状の一つだったりします。もし不眠以外に、すぐに怒るようになったり、徘徊したり、幻覚が出てきたりする時は以下の抑肝散がよく効きます。

上記の症状に加えて食欲不振や拒食がある場合は抑肝散加陳皮半夏が効きます。

それでもちょっと様子がおかしいなとあれば神経内科や精神科・心療内科にご相談ください。

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