スタチンは必要?
今回はスタチンについて取り上げます。
コレステロールを下げてくれる薬ですが、スタチンは中止を考慮すべき薬剤TOP3に入っています。理由としては心血管系に異常のある人以外にはあまり効果を示さないことに加え、筋肉系の副作用、糖尿病系の副作用があるからです。
先発品の商品名としてはリピトールやクレストールなどですが、ジェネリックでは〇〇スタチンという呼び名になります。コレステロールを下げて、血管が詰まることを予防するのが目的です
空腹時のLDLコレステロール(所謂悪玉コレステロール)が
140mg>dlを超えている人が脂質異常症(高脂血症)として治療の対象になります。
何故、治療するかというと、血管を詰まらせやすいため心筋梗塞などの危険な心血管の病気を予防するためです。なので血管が詰まったことがある人(心筋梗塞)、詰まらせそうになっている人(狭心症)は薬物治療を必要としますが、血管リスクのない人(特に高齢者)は薬物治療を必要としません。
血管が詰まりやすいリスクのある人というのは
・高血圧
・糖尿病
・喫煙者
ということになります。上記の人は以上の3つの疾患と同時に薬物治療しましょう。
もしリスクがない場合はまずは生活習慣の改善です。
3ヶ月以下のことをしてLDL-Cが140mg/dl以下になっていればOKです。
・過食を抑える
・(タンパク質の摂取)肉の脂身、乳製品・卵黄は控える/魚類・大豆製品の摂取を増やす
・野菜・果物・海草の摂取を増やす。
・食塩を控える(6g/day以下)(麺類の汁は飲まない、醤油はかけずにつける、インスタントNG)
・アルコールの過剰摂取を控える(25g/day以下)(ビール500ml/day以下、日本酒1合/day以下)
・30分以上の有酸素運動
太字を守れば大体は良くなるはずです。それでもし数値が正常化しないのであればスタチンをもらいましょう。またコレステロールが上昇するのは腎臓・肝臓・甲状腺などが悪さをしている場合がありますので、生活習慣が改善しても治らない場合は一度一般内科・総合診療の医師のチェック受けてください。
70才以上の高齢者の場合はスタチンを必要とするかどうかは議論が分かれます。
以下が大体の目安です。個々人の体調もありますので主治医の先生と良く相談してから決めてください。
・心筋梗塞を起こしたことがある人は80才まで飲めば良いでしょう。80才を超えると心筋梗塞再発予防の効果が薄れてくるからです。
・心筋梗塞を起こしたことがない人は70才まで飲めば良いでしょう。予防効果がないという結果が出ています。
大量に薬を飲んで辛そうにしているご高齢の方を両親に持つ方や、仕事があるのにスタチンの薬だけをもらいに月に1回通院している若い方は一度参考にされてみてください。