薬を飲みすぎていませんか?

「最近よくふらつくんです」

クリニックで働いたりすると時折そういう患者さんに遭遇します。
入院患者さんと違って特に心臓など大事な臓器に異常はなさそうなのに、体に不調を訴える患者さん。

念のため採血などで検査しても異常なし。

この時点で医療者が思い当たるのが「薬」です。
胃薬、睡眠薬、便秘薬、血圧の薬、鎮痛薬etc…
これらは全てふらつきの原因になります。

いつも同じ薬を開業医さんにもらいにいくという方は一度ご自身の薬を見直してみると良いかもしれません。
処方薬2剤で13%、5剤で58%、7剤で82%の有害事象が発生しているといわれています。8剤を超えると100%薬の相互作用が出ています。

いつもと同じ薬を処方する方が医療者側から見ると楽です。また凡そ、その多くの処方の始まりは大きな病院で検査・治療した後にこれを飲んでいてと診療情報提供書が開業医さんに渡され、それをそのまま処方しているケースが多いです。1つの医療機関から短期間だけ処方を続ける分には問題はあまりないですが、複数の医療機関から紹介を受けて長期に渡って処方するのは、

①薬の相互作用が考慮されていない
②患者さんの体重や代謝能力の変化が考慮されていない

という2点で危険性が出てきます。

経験的に多いなと感じるのは睡眠薬です。特に「デパス」などのベンゾジアゼピン系と呼ばれる種類の薬を、年齢を重ねて体重や代謝が落ちたのに同量使っていて体に不調を来している患者さんです。減らしたり・薬を変えると良くなってくれます。

また高齢の方が歳だからどうにもならないと言われ「痛み止め」の代表である「NSAIDs」を使い続けている患者さんも多いです。便利な薬ですが、長期で服用すると副作用も多い薬なので(胃薬も一緒に飲まないといけないのはその副作用のため)、私はご高齢の慢性疼痛に対しては桂枝加朮附湯をおすすめしています。

飲んでいる薬が6剤(※1)を超えていて体に不調を来している人(薬を6剤以上飲んでいること自体、不調の証明みたいなものですが)やそのような人を両親にもつ人は今一度主治医に本当に大丈夫かと(その両親と一緒に)お尋ねになると良いかもしれません。薬を減らすには総合的な知識と技術とそれに向き合うだけの誠意が必要になりますので、これからもお付き合いしていく主治医としてふさわしいかどうか試金石になる良い質問になると思います。

※1 薬の飲みすぎは厚生労働省も問題だと思っていて、6剤以上の薬を飲んでいる人から2剤以上減らした医療機関には(気持ち程度ですが)手当がつくようになりました。なので面倒と思われるかなと思わず聞いて見ると良いと思います。

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